末期癌、肝硬変に伴う腹水貯留の原因と治療・対策法について

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癌や肝硬変が進行し末期の状態に発症するのが「腹水(ふくすい)」になります。腹水の貯留は多臓器を強く圧迫し、全身の機能が急激に低下します。また、腹水の貯留は癌や肝硬変以上に余命に直結する部分も多いため早急な対処が必要となります。では、腹水とはどのような原因や症状が起こるのか、また治療法にはどのようなものがあるのか、以下に詳しくまとめていきました。ご覧ください。

◆腹水とは?

お腹の中には腹膜という膜があり、腹膜の中に胃や肝臓、膵臓などいろいろな臓器があります。その臓器同士がぶつかり合わないように腹水があり、通常20~50ml程溜まっています。がん、肝硬変などの病状が進むと腹水の量が増え、臓器を圧迫し食事量が減ったり、息苦しくなったり、お腹が突き出るほど溜まってしまうとお腹の張りの痛みや横になると苦しいので睡眠の妨げになったり、動作がしづらくなったりします。

また胸に溜まる水を胸水と言い、腹水同様、胸膜内に溜まる水の量が増えると、呼吸がしづらくなったり、咳が出たりし、少し歩くと息が上がってしまいます。

◆腹水が溜まると・・・

お腹がパンパンに張り出します。

溜まる量によって異なりますが多い方だと、臨月の妊婦さんのようにパンパンに張りだします。皮膚の急激な伸びで痛みが出たり、腰痛を訴える患者さんもいます。また、屈んだり、靴下を履いたりなどの動作もしづらくなります。

お腹の水が臓器を圧迫します。

お腹の中で多くたまった水は胃や腸などを圧迫します。その為、食欲があっても量が入らなかったり、食後に吐いてしまったり、便秘になったりガスが溜まる方もいます。また睡眠時にお腹を重く感じ、横になれず、睡眠の妨げになることもあります。

お腹以外にもお水が・・・

患者さんで異なってきますが、腹水と同時に足や顔、陰嚢などの部分に水が溜まり、むくみが出る方や、胸に水が溜まる胸水も見られる方もいます。特に足など溜まる量が多くなりすぎると、皮膚から水が滲み出てくる方もいます。

尿量が減ります。

体の不要な水分が尿として排出されにくくなり、排出できなかった水が腹水となってしまいます。また便からも水分は排出されていますので、便秘も腹水の排出の妨げになります。

その他にも患者さんによって異なり、手足の冷えを強く感じたり、倦怠感やダルさが続いたりします。

◆腹水が溜まる原因・疾患

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胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、肺がんなどの「がん」や「肝硬変」「腎臓病」「心臓病」等の病気が進行すると腹水や胸水が溜まりだす事が多くなります。また腹膜や胸膜に炎症を起こしてしまう感染や、過度なダイエットによる栄養失調状態の時に溜まる方もいます。

腹水が溜まる原因は大きく2つ「漏出性腹水」と「滲出性腹水」

漏出性腹水とは

漏出性腹水は心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、低栄養などでみられ、静水圧亢進や膠質浸透圧低下で起こります。

代表的な原因:心不全、肝硬変、ネフローゼ、低アルブミン
腹水の特徴:透明な液、細胞成分少ない、繊維素少ない

滲出性腹水とは

滲出性腹水は細菌感染、悪性腫瘍、炎症などによって腹膜が損傷し、毛細血管透過性亢進やリンパ液灌流低下により生じます。

代表的な原因:悪性腫瘍・腹膜炎

その他、膠原病、膵炎、外傷など鑑別は多岐にわたる。
腹水の特徴:混濁している、細胞成分多い、繊維素多い

治療を行う際は、上記の原因を知ることが重要です。

さらに、腹水は、癌や肝硬変以上に余命に直結する疾患ともいわれています。その為、腹水をうまく排出することができれば、結果、延命にも繋がる可能性もあるのではないでしょうか。

腹水は、病院での治療や対策が少なく、その治療自体もすべて「対症療法(一時的な緩和)」であり、腹水が溜まる根本の原因を捉えた治療ではありませんので、一時的に腹水が抜けてもまたすぐに腹水は溜まってきてしまいます。

◆病院で行う腹水治療について

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病院での腹水治療としては、利尿剤(ラシックス・アルダクトン・ダイアート・サムスカなど)を使い、体内の不要な水分を尿として強制的に排出していきます。利尿剤は即効性もあり、効果も期待できるお薬ですが、効果が期待できるのは最初だけです。使い続けていれば、徐々に効果は薄れてきます。また、長期の服用で、腎臓の機能が低下するというリスクもございます。

その他には、アルブミン製剤腹水穿刺などの治療法があります。

アルブミン製剤は、血中に不足したアルブミンを補い、血管内から漏出した水分をもう一度血管内に再吸収し、不要な水分を尿や便として排出していく治療です。比較的、副作用はないとされています。しかし、このアルブミン製剤は、保険の関係で月にできる回数が限られています。

※アルブミンを根本から増やすわけではなく、補充するだけの治療になりますので、時間とともにアルブミンは減少していきます。


腹水穿刺は、腹水を腹部から直接針を刺し抜く治療法です。腹水が溜まり呼吸が苦しい、身動きが取れない、食事を持ったく摂取できない時に最終手段として行う治療法です。腹水穿刺は、平均的に1リットル~多くて7.8リットルもの量を穿刺します。これは、患者さんの腹水の貯留量、栄養の状態などによっても変わってきます。

通常、腹水穿刺を行えば、確かに腹水は減り、腹部の張りは軽減し、随分と楽にはなると思います。
※個人差はあります。)

◆腹水穿刺のデメリット◆

・栄養状態が悪化する
・急激に血圧が低下する
・腎臓や心臓に負担がかかる。
・感染や出血の可能性がある。
・腹水の貯留スピードが速くなる

上記のようなデメリットもあります。腹水穿刺を行われる際は、必ず、前もって主治医に相談しましょう。

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◆腹水貯留の際の注意事項と対処法について

血液検査を確認する

ALB(アルブミン)基準値 4.0~5.0
アルブミンとは血液中の蛋白質の一種です。アルブミンは肝臓で合成され血液中に流し込まれ、本来は血液中に一定量保たれています。しかし、肝硬変、癌などの影響により肝臓の働きが低下すれば、結果、アルブミンは減少します。アルブミンの減少が進むことで血管内の水分が血管外へと漏れ出し、その漏れ出したものが腹水、胸水、浮腫となります。
※アルブミンは「血管内の水分保持」「浸透圧の維持」などの働きがあります。)

CRP(シー反応性蛋白) 基準値 0.1~0.3
体内、各臓器で起こる炎症を確認する数値です。炎症は、癌、腹水の原因の1つで、体内・臓器で起 こる炎症が強ければ、癌の進行や、腹水の溜まるスピードが早まることもあります。また、炎症は、痛み・痒み・腫れなどの原因にもなります。

CHE(コリンエステラーゼ) 基準値 200~460
肝臓での蛋白合成能力、肝臓の栄養状態を確認する数値です。肝硬変や肝臓がん、栄養失調などで低下する数値です。CHEが低下すれば、結果、肝臓での蛋白合成能力が低下するため、アルブミンの減少に繋がります。

CRE(クレアチニン) 基準値0.2~1.1
腎臓の状態を確認する数値です。クレアチニンとは尿毒素で、腎臓の機能が低下した際に、体外へと排出ができなくなり蓄積します。利尿剤の長期の服用、肝硬変の進行に伴い数値が上昇します。クレアチニンの数値が6.0~8.0まで 上がれば人口透析などが必要になります。

LYMPH(リンパ球) 基準値 18%~30%
免疫の状態を確認する数値です。多くの免疫細胞の中でも、癌細胞と戦うために必要とされている免疫細胞の1種です。癌、炎症、栄養失調、抗がん剤の副作用などが原因で低下する数値です。他にも大切な数値はございますが、腹水、胸水の貯留の際は上記の数値が最も重要となります。

上記のように、血液検査の結果である程度は患者様のお身体の中の状態を把握することができます。まずは、検査結果を確認してみましょう。

腹水の予防・ケア

少しでも腹水の症状をやわらげるために、生活習慣の中でできることがあります。食事制限や寝るときの体勢など、自分でできることを知っておきましょう。 

・食習慣の見直し

腹水の治療を開始するにあたって、場合によっては食事制限が必要となります。塩分の摂取制限、また水分の摂取制限も推奨されます。腹水の原因になっている疾病にもよりますが、塩分の摂取目安は1日に8グラム以下、水分は1日に1L以下とされています。 腹水が溜まっていることによって、吐き気や食欲不振もおこりますので、栄養不足にならないようバランスのよい食事を心がけることも大切です。特に食欲がない場合には、消化のよい食材選びを考慮しましょう。 

・体勢の改善

腹水が溜まっている状態では、絶対安静が基本です。ただし、症状によっては寝返りをうつことも苦痛になる場合がありますので、まずは一番楽な姿勢でベッドに横になれる体勢を工夫することが求められます。息苦しさを感じるときには、腹部を締め付けないような衣服にするとよいです。女性であれば、ワンピースタイプの部屋着にするのもよいでしょう。しかし、体温が下がってしまっては快復の妨げになってしまいます。お腹を冷やさないよう、十分配慮することが必要です。手の指先や足先のマッサージをし、血行を促進する助けをすることもおすすめです。

◆東洋医学的に見た腹水の発症原因と漢方治療について

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腹水の漢方治療は「対処療法(一時的な緩和)」ではなく、腹水が発症する根本の原因を捉え大元から対処していきます。また、漢方治療は西洋医学のお薬に伴う副作用の軽減と予防としても効果的です。その他にも、病院の治療では手が届いていない部分に作用し全身の状態をプラスに変化させていく対策になります。

漢方による腹水の対策法

腹水の対策は、腹水を排出することだけに捉われていても根本から改善することはできずその場しのぎで終わってしまいます。確かに腹水を排出することも重要ですが、腹水を溜めないようにすることも重要です。腹水対策を行う上で、「貯留予防」と「排出」を同時に行うことが大きなポイントとなります。

◆腹水排出のための4つの対策ポイント

血液の質を整え・血流の向上を図る
肝硬変、肝不全などによる腹水の貯留は、肝臓内血流悪化が原因で門脈圧が亢進したことによるものです。その為、残された肝細胞を活性し、血液の行先さえ確保できれば、腹水貯留は防げます。 

肝機能を向上しアルブミンを増加させる
貯留しているお水を血管内に戻すための対策になります。アルブミンは肝臓内で合成されます。その為、肝障害などが原因で肝臓の働きである「蛋白合成能」が低下すれば結果、アルブミンは減少していきます。
※アルブミンの役割は、血管外水分を血管内に引込むことです)

腹水が溜まっている方は、アルブミンの数値が低いため水が貯留します。

体内で起こる炎症を抑制する
体内、各臓器で炎症が起これば、血流は悪化しどのような病気も進行します。腹水の発症原因である肝硬変や癌などの疾患も炎症が存在していますので、これを抑えることが「腹水排出」にも繋がるとされています。また、炎症を抑えることは、腹水、癌の進行抑制以外にも、多臓器への転移の予防にも繋がる言われています。
※血液検査でCRPなどの数値が上昇している場合は炎症が強いことを示します。

水分代謝を向上させ余分な水分の排出を促す
体全体の水の流れを良好にし、余分な水分を排出する対策。漢方治療は、胃腸から吸収された水分が、腎臓に運ばれ尿として排出されるまでの流れを整えます。漢方では五臓六腑の中の「脾・肺・腎」の三つが水の流れを操っているとされています。漢方治療で新陳代謝を活発にし「脾・肺・腎」の機能を高めることにより結果、不要な水分や毒素を尿や便として排出させることを促します。

上記の対策法は、体内の余分な水分を排出させるだけの対策ではありません。腹水の根本対策であると血流向上や炎症コントロールもしていきますので、結果、水が溜まらない対策も同時に行っていきます。


腹水の漢方対策は、病院治療では手が届いていない部分に働きかけ、腹水を排出すると同時に腹水を溜まりにくくする治療・対策法です。また、漢方治療は、病院の治療・お薬の副作用軽減効果、病院の治療効果を高める例もございます。

そのため、末期癌や腹水などの疾患や症状でお悩みの方は漢方治療も1つの選択肢としてご検討されてもよいと思います。

※ご服用の際は専門家に相談し、患者様の体質や症状をお伝えし患者様に合った漢方薬を処方してもらいましょう。

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温熱の力で相乗効果を高める!?漢方と温熱併用療法!!(豆知識)

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基本は病院の治療となりますが、病院の治療のサポートとして漢方と温熱の併用対策がございます。東洋医学では肝硬変,末期癌,腹水,胸水などの疾患は大きく体内・臓器レベルで発症する冷え・低体温体内の血流・代謝障害などが主な原因と言われています。冷えや低体温、血流障害は、癌や腹水の原因だけではなく、様々な病気の発症原因に関係しています。
(※体温が高くても、身体の部分に冷えを抱えている患者さまは数多くいらっしゃいます。)

冷えや低体温、血流障害などは、主に食生活、不眠、ストレス、タバコ、運動不足など生活習慣の乱れから起こります。冷えや低体温、血流障害は、不規則な生活習慣が長く続くことで徐々に慢性化し大病へと繋がってきます。

東洋医学的な考えになりますが、血液の流れが停滞することで各臓器に栄養素や酸素が運ばれにくくなり全身の機能が低下していきます。また、血流が悪化することで、体内の水分代謝までも悪化していきます。その為、体内に不要な『水分(腹水・胸水・浮腫)』が貯留してしまうのです。その為、癌や肝硬変の進行によっておこる腹水や胸水を排出しやすく、溜まりにくくする為にはまずこの血流を高め水分代謝を良好に変化させていくことが何よりも重要と考えています。

また、癌、腹水・胸水患者様は血流障害が原因で体内・臓器レベルに強い冷えを抱えています。血流が悪化し、冷えが強くなることで、体温なども同時に低下していきます。ご存じな方も多いと思いますが、癌細胞は熱に弱く冷えに強い為、体温が下がったり、冷えが強くなると、増殖のスピードも速まってしまいます。上記でも述べましたが、冷えや低体温、血流障害などは癌や腹水・胸水などの発症原因以外にも、様々な病の原因に繋がるため注意が必要なのです。

【ポイント】
上記の原因を改善する為に、漢方対策は最も効果的な治療ではあるのですが、慢性化した病に対しては効果が発揮できないケースもございます。そこで、慢性化した疾患の対策には、漢方治療に、温熱を加えることで、相乗効果が高まり病気に対する作用も上がってきます。

ご存知な方も多いと思いますが、温熱は病院でも行われている治療法の1つで、主に癌の対策、抗癌剤や免疫療法、高濃度ビタミンC、マルヤマワクチンなどの効果を高めるために実施されている治療法です。特に、大病を抱えられた患者様に注目されている対策法の1つです。

漢方と温熱の併用療法は、分かりやすく言いますと漢方は「内側のケア」、温熱は「外側のケア」、これを同時に行うことが互いの効果を引き出しあい、即効性を発揮していきます。

これ以上治療ができない、今まで色々試してきたがどの治療も駄目だった、体力が落ちているため身体に負担が大きい治療はしたくない。このようなお悩みを抱えられている方に漢方と温熱の併用療法はおススメな対策法です。是非、ご参考にされてください。

<<温熱参考ページ>>

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温熱療法記事 | 統合医療でがんに克つ
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文才が無い為わかりにくいとは思いますが、癌や腹水,胸水でお悩みの方やそのご家族様のご参考になればと思います。


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